どんな状態が「特定空家等」なの?その2

前回、「特定空家等」の判断の参考となる基準という内容が「ガイドライン(「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針)」に記載されている、

  • 〔別紙1〕「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」であるか否かの判断に際して参考となる基準

についてまとめました。

その記事はこちら:どんな状態が「特定空家等」なの?その1

また、特定空家等の定義についてはこちら:「特定空家等」とは?

そして、今回はこちらです。

〔別紙2〕「そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態」であるか否かの判断に際して参考となる基準

〔別紙1〕では、建物などが倒壊することによる物的・人的等の被害に対して危険性があるかどうかの判断でした。

ここでは、表題にあるように「衛生上」の影響についての判断になります。

「そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態」であることを判断する際は、以下の(1)又は(2)に掲げる状態(将来そのような状態になることが予見される場合を含む。)に該当するか否かにより判断する。

とあります。

では、その内容についてみていきます。

(1)建築物又は設備等の破損等が原因で、以下状態にある。

状態の例として、〔別紙2〕には3例挙げられています。

  • 吹付け石綿等が飛散し暴露する可能性が高い状態。
  • 浄化槽等の放置、破損等による汚物の流出、臭気の発生があり、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている。
  • 排水等の流出による臭気の発生があり、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている。

ひとつめは、いわゆるアスベストの飛散の恐れに関するものです。

厚生労働省のWEBサイトに

石綿(アスベスト)の繊維は、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になるといわれ、肺がんを起こす可能性があることが知られています(WHO報告)。

と記載されているように、人体に悪影響を及ぼす可能性があるため、ここでも建材として使用されている石綿が飛散するかどうか(将来も含め)が判断基準になっています。

そしてふたつめは「浄化槽等」ということですから、くみ取りの便槽なども含め、汚水(いわゆるトイレの排水)についての内容です。

当然、臭気だけでなく病害虫の発生などのリスクもありますから、その恐れのあるものはここに該当させる、というものです。

さらに3つめは、「排水等」です。

台所の排水、お風呂の排水などがここに該当します。

これもふたつめの汚水と同じ悪影響を考慮しての判断基準と考えられます。

 

では、つぎに…

(2)ごみ等の放置、不法投棄が原因で、以下の状態にある。

状態の例として、2例挙げられています。

  • ごみ等の放置、不法投棄による臭気の発生があり、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている。
  • ごみ等の放置、不法投棄により、多数のねずみ、はえ、蚊等が発生し、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている。

つまり、よく「ゴミ屋敷」といわれている状態です。

ただし、ゴミ屋敷は所有者が「居住」している場合もあり、これを「空家等」とすることができない可能性もあります。

居住や定期的な管理が行われていない「空家等」であれば、この(2)の状態であれば特定空家等として判断できると思いますが、必ずしもそうでない状況も考えられます。

ポイントとしては、周辺の地域住民の日常生活に支障があるかどうか、というレベルで判断されることです。

そのあたりの判断をいかに行うか、行政も悩むケースが生じるかもしれません。

 

このように、管理されていない空家等により、倒壊することによる物的・人的な被害だけでなく、周辺に対して様々な悪影響を与える状況にあるものも特定空家等として判断されることになります。

 

次は〔別紙3〕「適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態」であるか否かの判断に際して参考となる基準の内容について、確認していく予定です。

 

※画像は参考画像です。「特定空家等」と認定を受けているものとは限りません。

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