岡山県地域文化財建造物専門家(ヘリテージマネージャー)養成講習会:第3回目:新庄村の景観調査

※今後の参考にするため、当事務所設立前に参加した「ヘリテージマネージャー」の講習会についての記事を転載します。

 

2013.8.17、新庄村のがいせん桜の通りで、景観調査を通じた講習会が行われました。Exif_JPEG_PICTURE

スタートはこの脇本陣。

この建物自体、非常に良い建物でした。

中庭ではお土産を売っていたり、建物の一部で食事ができたり、と活用されています。Exif_JPEG_PICTURE

さて、出発です。

左におられるヘッドセットを装着されたかたが、今回ガイドを行っていただいた地域の方です。

なんと、御年、90歳超!お元気です!!!大変暑い中、ありがとうございました。

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通り沿いには脇本陣のような保存された建物もありますが、大半はこのように実際生活されている住宅です。

通りに配慮して室外機を隠していたり、アルミサッシを内付にして外部に木製建具を配している建物も結構あります。

「虫コナーズ」がぶら下がっていたりと、おもいっきり生活感がありますが、これがかえって良い雰囲気だと感じました。

倉敷のような生活感があまりない、言い方はどうかと思いますが、映画のセットのような街並みは…(´Д` )。Exif_JPEG_PICTURE

 

なかには残念ながらこのように朽ちている建物もあります。

所有者のやむを得ない事情によるものでしょうが、このあたりのマネジメントも大切だと思います。

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この通りの特徴は、がいせん桜と並んで通りの両脇を流れる水路です。

水量も豊富なこの水路はここちよい音を奏で、涼しい風も運び、見た目にもさわやかです。

オオサンショウウオが流れてくることもあるとか(・∀・)

大半の家の前には水路を引き込んだ鯉を育てているスペースがあります。

昔はこの鯉を来客時に料理してもてなしていたようです。

さらに、通りの桜への水やりに便利であったり、野菜を洗ったりなど生活の一部として積極的に活用されていたと説明を受けました。

実際、歩いていると、水路でバケツを洗っている様子も見ることができました。

観光用の「かざり」ではなく、今でも生活に密着した水路であるからこそ、良い雰囲気なんだなと感じました。

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水路の一部にはこのような水車があります。

とりわけ、何かの機能があるわけではなさそうですが、その大きさから心地よい水の音が聞こえます。Exif_JPEG_PICTURE

 

最後に脇本陣に戻り、とおりで感じたことを「A:良いところ」「B:良くないところ」「C:提案」の3つに分類し、その内容をグループ化して評価する講義がありました。

そこで上に書いた水路の積極的活用などの意見や、電線を見せなくする処理の提案などがあり、意見交換がなされました。

やはり建築士のみなさんなので、出る意見の大半は「ハードをいかに処理するか?」だったように思います。

私はどうしてもまちについて心理的な側面で見てしまいがちなので、通りのどちらからまち歩きをスタートするかで印象が変わることを意見しました。

水路の流れに沿って歩くと、若干下りの勾配で、水路の方向性を体感できること、また通りの最後が田や畑の風景であり、倉敷美観地区のようにいきなり「現実に戻される」感覚が少ないことから良い印象を受けました。

逆に、水路を逆走するように歩くと、登り勾配になり(大した勾配ではないです)、行きつく先が大きな車道と何故か洋風でちょっと老朽化した村役場です。

「あ、終わったな」という感覚です。

古い街並みがどういうところに位置するかによって、そのエリアのエッジの処理が極めて重要になると思います。

まちの内部だけでなく、そのエッジにいた時に受ける心理的な影響まで考慮できればより良い結果になるのかなと、このまち歩きを通じて感じました。