岡山県地域文化財建造物専門家(ヘリテージマネージャー)養成講習会:第6回:宝福寺の修復と技術

※今後の参考にするため、当事務所設立前に参加した「ヘリテージマネージャー」の講習会についての記事を転載します。

 

ついに講習会も後半戦に突入。

気候も涼しくなってきた今回は総社市:宝福寺にて講習会でした。

雪舟さんが涙でネズミを書いた話で有名なところですね。

 

前半は奈良市の教育委員会に勤務される職員の方から担当されている地域での活躍について講義。

午後から会場の宝福寺を実際修復されたかたによる現地での説明会に。

しかも、講習会の会場は普段立ち入ることのできない方丈の一部屋をお借りするというボーナス付き!

焼失してしまっているため建てなおされた経緯はありますが、雪舟さんがネズミを書いた建物です。

この建物に隣接する「庫裏」「玄関」「食堂」の保存修理工事について講義がありました。

 

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奥に見える建物が「方丈」で、手前がこの度修理工事された「庫裏」等です。

内部でつながっています。

 

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「庫裏」等の外観です。

玄関庇の瓦の棟部分、変わった納まりをしています。

 

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なんと、逆立ちしています…(・∀・)

「庫裏」等の軒先ですね。

 

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講義の会場となった方丈:雪舟さんがネズミの絵を描いたと言われる建物の内部です。

焼失して数回建替えされたそうですが、近々修理しなければならない状況だそうです。

実際、柱はかなり傾斜していました。

なにか、青白い光の玉が写っていますが、ここはお寺さんですが、気にしないでください…(´Д` )

 

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「庫裏」等の玄関内部です。

かなり大きな梁がかけられていました。丁寧に改修された様子がわかりました。

屋根の下地の竹も再利用されたそうです。

いろんなところから墨書が出てきたそうで、中にはかなり上部の梁の下端に梵字が書かれているものも。

とても肉眼では確認できません。

こういった記録が残っていることも素晴らしいですし、これを後世に伝える必要性も感じました。

簡単に解体するべきではないですね。

 

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庫裏の屋根に使われていた瓦。

製作した瓦屋さん(相当昔の物ですが…)、の刻印がなされています。

丸亀で造られた瓦ですが、3社(?)のものが混ざって使われていたようです。

それぞれ軒先の文様が異なっています。

瓦だけでも相当な調査ができそうです。

 

 

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柱を改修し、根継した部分です。

新材は乾燥収縮するので、その変化量を見越して既存の材より大きめに製材して継いでいます。

木の性質を良く知った職人の技術が必要です。

 

Exif_JPEG_PICTURE 庫裏二階部分。

さすがに玄関に比べて梁の断面は小さいものでしたが、貫の量も多く、改修するには大変だったことがうかがえます。

普段はこのあたりは公開されておらず、入ることはできません。

貴重な体験をさせていただきました。

 

今回の講習では実際に建物を説明していただきながら改修時の出来事も含め丁寧に教えていただきました。

特にこのような文化財級の建物は、使用されている材料ひとつひとつに歴史のヒントがあり、それを丁寧に紐解いていく作業が大切であることがよくわかりました。

逆に、そのことがこのような改修の最も「楽しい」部分ではないか?と感じました。

手間ヒマは当然かかり、その分費用もかかると思いますが、壊してしまってはわかるはずだったものもわからなくなってしまいます。

先人の残した「メッセージ」を文書だけではなく、モノから読み取る能力も大切だな、と思いました。

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