空き家ってなに?

平成26年11月27日、「空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号)」が公布されました。

都市部、地方ともに社会問題化している「空き家」。

所有されていて、どのように対応していけばよいか悩んでおられる方も多いです。

我々建築に携わる専門家も、本気でこの問題に向き合わなければならないと思います。

当社では、これらの対策を考えるため、その問題提起や社会で実際適用されている活用事例、対策についてまとめて発信していきたいと思います。

まずはその定義から押さえておく必要があります。

「空き家」ってなに?

そもそも、何を「空き家」としているのでしょうか?

なんとなく「誰も使っていない」というのはわかりますが、実は法により定義されています。

まず、空き家対策で最も中心になる法律「空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号)(以下、空家法)」より

(定義)第2条

この法律において「空家等」とは、建築物又はこれに付属する工作物であって、居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理する物を除く。

とあります。

なるほどー、なんとなくわかったような…という感じですが、これに対し「空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な方針(平成27年総務省・国土交通省告示第1号)(以下、基本指針)」により考え方が示されています。

この中の「一、空家等に関する施策の実施に関する基本的な事項 3、空家等の実態把握」において、「空家(法文では「空き家」ではなくこの表記になります)」の定義について詳しく記述されています。

建築物

ここでいう「建築物」とは建築基準法第2条第1号の「建築物」と同義であり、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱又は壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門又は塀等をいい、

これに附属する工作物

「これに附属する工作物」とはネオン看板など門又は塀以外の建築物に附属する工作物が該当する。

とあります。

建築物本体は当然のことながら、それに附属する外構や看板なども総合的に対象になっていることがわかります。

そして、

居住その他の使用がなされていないこと

「居住その他の使用がなされていないこと」とは、人の日常生活が営まれていない、営業が行われていないなど当該建築物等を現に意図をもって使い用いていないことをいうが、

とあります。

このことから、住宅だけではなく、店舗や工場、倉庫など用途を問わず広く対象となっていることがわかります。

また、

建築物等の使用状態の有無については…(中略)…建築物等への人の出入りの有無、電気・ガス・水道の使用状況及びそれらが使用可能な状態にあるか否か、建築物等及びその敷地の登記記録並びに建築物等の所有者等の住民票の内容、建築物等の適切な管理が行われているか否か、建築物等の所有者等によるその利用実績についての主張等から客観的に判断することが望ましい。

とあります。

所有者が「使っているよ!」と主張してもその様子が確認できないような場合には「空家等」と判断されることになるので注意が必要です。

また、最も漠然とした表現になっている「常態」についてですが…一義的には決まらないものの、

常態である

「常態である」とは、建築物等が長期間にわたって使用されていない状態をいい、例えば概ね年間を通して建築物等の使用実績がないことは1つの基準となると考えられる。

とあります。

つまり、「おおよそ1年」がその目安となっているといえます。

当事務所がある「地方」においては、「仏壇のある実家」のように年に数日帰省、風通しするような建築物も多く存在しています。

特に笠岡市であれば島しょ部が多いですね。

そのような場合はどう扱われるのでしょうか?

上記の文面から判断すると、年数回帰省し、建物に立ち入って管理していれば利用があることとなり、不使用が常態であるとはみなされないことになります。

しかし、年数回訪れたとしても、建物の外から様子を見るだけでは「使用されていない」と判断され、「空家等」とされることになります。

注意が必要ですね。

また、

その敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)

もその対象となっている点にも注意が必要です。

庭木のほか、雑草などもその対象となっており、建物だけの管理では足らない、ということがわかります。

 

以上より、「空家等」の定義として留意すべき点は

  1. 建築物だけでなく、附属する門や塀、さらには看板などが対象になる。
  2. 敷地内にある庭木、雑草などの管理も対象となる。
  3. 住宅だけでなく、用途を問わず対象となる。
  4. 使用している実態が重要で、「使ってるよ!」の主張だけではダメ。客観的な判断による。
  5. おおよそ1年間の使用実績(外観チェックではダメ)がなければならない。

と整理できると思います。

 

これは法律上の「空家等」の定義ですが、これをしっかり理解しておくことが所有者には必要ですね。

そして、法律ではこのさらに次の段階の「特定空家等」について定義されています。

この「特定空家等」が今回の特別措置法で大きなポイントとなるものです。

次回はこの「特定空家等」について整理していきます。