コウノシマの家

昭和初期の木造二階建住宅のリノベーション

水回りはすでにリフォーム済みで、今回は母屋部分の計画。

1階部分は建具で仕切られた典型的な日本家屋の間取り。

2階部分は築後に改装されている様子が見られた。

土葺きの瓦屋根、玉石基礎、耐力壁等も十分でないため、今回の工事では屋根の軽量化と基礎の改修、および金物による構造材の補強を行い、奥まったリビングを明るく開放的な場所にすることが主な目的となった。

既存のイメージを大切にするため外部の形状を極力変更せず、屋根は棟部のみ瓦葺、他はガルバリウム鋼板に葺き替え軽量化を行った。

基礎コンクリートスラブを打設し、柱脚部を緊結。足回りを固定し、柱頭柱脚を金物で補強した。

内部の構造を撤去することなく、二階の一部を吹抜けとし、明るさと開放性を確保した。

既存の構造体が細いため、補強目的で部分的に柱と筋かいを入れている。

また、極力既存のものを再利用することで、施主様のもつ愛着を残しつつコストを抑える方法を採用。

建具のほとんどを再利用とし、階段も既存のものを再利用し、位置を変更している。

床材に杉の無垢板30mm厚を採用、主要な内壁は左官材料を使っている。

和室の天井も既存のものを再利用。ご先祖から受け継いだ空間を残すことに役立てた。

なお、新しく使った材料は着色塗装を行わず、新旧の対比を出している。

元々コンパクトな外観の特性を活かしながら、主張しすぎないシンプルな構成によりデザインを行った。

リビングの西の窓からは神島(コウノシマ)の山を望むことができ、春にはヤマザクラ、秋には紅葉による四季の変化を十分に楽しむことができるように障子を引き込む計画としている。